Google Pixel専用の「もっと安全なAndroid」。何ができて、なぜ守れるのかを専門用語ぬきでまとめました。
GrapheneOS(グラフェンオーエス)は、Androidをベースに「安全性」と「プライバシー」だけを徹底的に鍛え直した、専用のスマホ用OSです。土台はAndroidと同じなので、見た目も使い方もほぼ普通のスマホと変わりません。
大きな特徴は2つ。1つ目は「脱Google」。標準では、端末の裏側でGoogleへ情報を送る仕組みが入っていません。2つ目は「防御の作り込み」。ハッカーや盗難・押収に備えた仕掛けが、OSの奥の奥まで組み込まれています。
それでいて、必要ならGoogle Playやアプリも「安全な箱の中で」使えるので、実用性を大きく損なわないのがポイントです。
GrapheneOSは、強力なセキュリティに必要なハードウェアを備えたGoogle Pixelを基盤としています。だからこそ、防御が最大限に発揮されます。
GrapheneOSの防御の多く(改ざん検知・メモリ保護・専用セキュリティチップ「Titan M」など)は、Pixelの堅牢なハードウェアがあってこそ本領を発揮します。特に第8世代以降の新しいPixelは、ハードウェアによるメモリ保護(後述のMTE)に対応し、最も高い安全性を実現します。
盗難・紛失・強制的なロック解除——「手元を離れた時/奪われた時」に備える仕掛けです。
通常とは別の「ワナのPIN」を設定でき、それを入力すると端末を即座に完全消去(eSIMも含む)。再起動不要で、途中で止められません。
なぜ大事無理やり解除させられそうな緊急時の、最後の手段になります。
ロックしたまま一定時間(初期値18時間)経つと自動で再起動。データが暗号化されたままの、最も安全な「初回ロック解除前」の状態に戻します。
なぜ大事置き忘れや押収時に、メモリ上に残るデータを守れます。
ロック中はUSBのデータ通信を遮断できます。高度な設定では、充電すら電源オフ時だけに限定することも可能です。
なぜ大事ケーブルを挿すだけで中身を吸い出す解析ツールをブロックします。
ロック画面の数字キーの並びを、解除のたびにランダムに入れ替えます。
なぜ大事肩越しの覗き見や、指の動きからのPIN推測を防げます。
指紋のあとにPINも要求する設定が可能。さらに指紋の試行回数も5回に制限され、標準の20回より厳しくなっています。
なぜ大事便利さを保ちつつ、指紋だけで突破される事故を減らせます。
ロック画面での通知の中身を隠す、キーボードの学習を切る、パスワード入力を隠すなど、最初から安全側に倒してあります。
なぜ大事設定を細かくいじらなくても、初日から守られます。
「全部見せるか、まったく使わせないか」の二択だった権限を、GrapheneOSは“少しだけ渡す”や“ウソをつく”まで選べるようにしています。
アプリのインターネット接続を、スイッチ1つで完全に遮断できます。標準Androidにはない機能で、他プロファイル経由の通信も止められます。
なぜ大事電卓やメモ帳など、本来ネットに繋ぐ必要のないアプリの「こっそり通信」を止められます。
加速度センサー・ジャイロ・コンパスなどへのアクセスをまとめて遮断。アプリには「値はぜんぶゼロ」と返します。
なぜ大事歩数や動きのクセから、あなたの行動を推測・追跡されるのを防げます。
「写真フォルダ全部」ではなく「このファイルだけ」を渡せます。アプリには権限があると錯覚させつつ、実際は指定分しか見せません。
なぜ大事1枚送りたいだけなのに全アルバムを覗かれる、を防げます。
連絡先を「空っぽ」に見せかけ、選んだ相手だけを渡せます。標準の「全部許可 or 拒否」より柔軟です。
なぜ大事SNSアプリに全連絡先を丸ごと吸い上げられるのを防げます。
普通のAndroidでは特権を持つGoogle Playを、一般アプリと同じ「箱」に閉じ込めます。特別扱いなし・root権限なしで、ほかのアプリと同じ制限をかけられます。
なぜ大事アプリは使いたいけどGoogleに深く入り込まれたくない、を両立できます。
端末の中に、隠せる「もう1つの領域」を作れます。スコープ機能やサンドボックス版Playもそのまま使え、ロックして存在ごと隠せます。
なぜ大事仕事用・実験用アプリを、本体ときっちり分離して管理できます。
ふだん目に見えない、OSの土台そのものを鍛える仕組み。ハッカーが「バグを突いて侵入する」経路を根本から潰します。
アプリが使うメモリを厳重に管理し、使い終わったら即座にゼロで上書きします。
なぜ大事古いデータの残りかすやメモリのバグを突く、典型的な攻撃を防ぎます。
第8世代以降のPixelのハードウェア機能を使い、メモリの使い方の間違いをリアルタイムで検知・遮断します。
なぜ大事多くの深刻な攻撃を、成立する前に自動で無効化できます。
OSの心臓部を改造し、攻撃者がプログラムの流れを乗っ取る隙(CFI・Shadow Call Stackなどで対策)を塞いでいます。
なぜ大事一番奥の「土台」を守ることで、被害の連鎖を止めます。
起動のたびに、OSが改ざんされていないかを署名で厳密にチェックします。
なぜ大事マルウェアがOSに住み着き、再起動しても居座るのを防ぎます。
アプリ同士でメモリ配置の「秘密の設計図」を共有しないようにし、1つのアプリが破られても他へ波及しにくくします。
なぜ大事被害を1つのアプリの中に封じ込めやすくなります。
OSのほぼ全体で、後から怪しいプログラムを読み込ませる手口を禁止。ブラウザのJIT(高速化技術)も既定で無効化しています。
なぜ大事攻撃者が「後から悪意あるコードを差し込む」定番手口を封じます。
「どこにいるか」「どの端末か」を外部に知られにくくする仕組みです。
Wi-Fiに接続するたびに、端末の識別番号(MACアドレス)を新しくランダム化します(既定でON)。
なぜ大事店舗やWi-Fiスポットに、来店・移動の履歴を追跡されるのを防ぎます。
攻撃に悪用されやすい2G/3G/5Gを切り、LTEだけに限定できます。
なぜ大事偽の基地局(IMSIキャッチャー)などのリスクと、通信の攻撃面を減らせます。
位置推定を、GrapheneOS自身が運営するサーバー経由(周囲のWi-Fiから推定)で提供します。
なぜ大事位置の推定をGoogleに頼らずに使えます。
スクリーンショットから、OSのバージョンやタイムゾーンなどの余計な情報(メタデータ)を自動で取り除きます。
なぜ大事何気なく共有した画像から、端末や環境がバレるのを防ぎます。